プロフェッショナルだけど親しみやすい。会社の魅力を100%伝える採用資料のデザイン
このたび、株式会社Pacific Meta様のカンパニーデック(会社紹介資料)のデザインと、それに伴うビジュアルガイドラインの制作を担当させていただきました。
今回のプロジェクトの目的は採用資料としては当たり前ですが「採用人数の最大化」であり、そのために企業としての信頼感や魅力を、どのように伝えどんな形で表現するか。情報設計はお客様サイドにしていただき、デザインを全てお任せいただきました。
今回は、その制作の裏側や、デザイン面でのこだわり、そして取り組みに込めた想いについて、ご紹介したいと思います!

目次
ご依頼のきっかけは?
今回のご縁は、有償のコンペ形式からのスタートでした。まずご依頼いただいたのは、表紙と事業内容ページの2ページ分のみ。
「この2ページのクオリティを見て、残りのページをご依頼するか判断させてください!」と、最初に丁寧にお話をいただきました。もちろんこのご提案は、決して上から目線ではなく、お互いの相性を見極めるための大切なステップとしてご提案いただいたものでした。
今回のデザイン要件について
Pacific Meta様より事前にいただいていたデザインのご要望は、「青系統で、グローバル感のあるデザイン。硬すぎず、柔らかすぎず。プロフェッショナルだけど、人間味も感じられるように」というものでした。求められていたのは、単なる企業紹介ではなく、資料を通じて読み手にこんな印象を与えること:
- 「この会社で働いてみたい」「ここで挑戦してみたい」と思わせるプロフェッショナル感
- 「こんな魅力的な人たちと一緒に働きたい」と感じさせる人間味
つまり、信頼感と親しみやすさの両立。この絶妙なバランスを、どのようにビジュアルに落とし込むか。それが、今回のデザインにおける大きなテーマでした。
トンマナは「OCEAN × GLOBAL」
今回のカンパニーデックのトンマナ(トーン&マナー)は、クライアント様より事前にご共有いただいた「OCEAN × GLOBAL」。 このキーワードをもとに、ビジュアル全体の世界観を構築していきました。このキーワード以外の指針として、ブランドガイドラインが存在しない中、まず軸にしたのはロゴのトンマナです。ロゴには通常ブランドの方向性が凝縮されていると考えており、そこから色・形・雰囲気を広げていきました。
【展開したビジュアル要素の一例】
- 背景パターン:海のように波打つドット模様
- カラーパレット:海を想起させる深みのあるブルーやグラデ
- グラフィックモチーフ:ロゴに合わせて丸モチーフを活用(波紋との連動)
- アイコンスタイル:ロゴのトーンに合わせたフラットなシンプルイラスト

私たちの提案スタンスと大切にするマインド
最初にご依頼いただいた表紙と事業内容ページでは、それぞれにおいて、複数案のデザインをご提案させていただきました。 初めておつきあいさせて頂くお客様だったこともあり、頼まれたわけではありませんでしたが、方向性を丁寧にすり合わせるため、そして相手側の意向を探るためにも、まずは出来るだけ多くの方向性を準備するようにしています。
そんな私たちの姿勢に対して、クライアント様からはこのような嬉しいお言葉をいただきました。

とても魅力的なアウトプットに加えて、複数アイディアを出してくださるスタンスに感動しました。「受注⇄発注」というより、「同じ方向を向いて一丸となって進められるチーム」だと感じました。
これは、私がフリーランスとして常に大切にしている姿勢そのものであり、とても嬉しいお言葉でした。“外注”ではなく、“チームの一員”としてプロジェクトに関わらせていただくこと。良いデザインをご提案するためにも、そのマインドは欠かせないものだと常日頃から考えています。
今回資料は40ページを超えるボリュームがあったため、いきなり全ページを制作するのではなく、章ごとに10〜15ページずつご確認いただく方式で進行。ページごとに密にコミュニケーションを取りながら、齟齬のないよう丁寧にすり合わせていきました。
デザインの方向性とこだわり
パワポらしくない、パワポ資料を
今回の納品形式はPowerPointでしたが、弊社では資料やスライドなどは例外なくデザイン設計をIllustratorで行うようにしています。PowerPointではどうしても細かな微調整が難しく、ツールの制約に引っ張られてしまうためです。
そしてこのプロジェクトは“資料作成”ではなく、“デザイン”としてご依頼いただいたもの。PowerPointの中だけでデザインを完結させようとすれば、表現の幅は狭まり、本来伝えたいメッセージや雰囲気が十分に表現できません。まずはデザインとしての理想形をIllustratorで組み立てること。そのうえで、どうやってPowerPointに落とし込むかを考えるようにしています。
「グローバル感」を視覚的に伝える工夫

着手前にデザインの一つの方向性として、”グローバル感を出したい”とのご要望を頂いておりました。パシフィックメタさんの事業内容などを説明する図表で十分にその”グローバル感”を出せると思っていましたが、以下のようなビジュアルを積極的に取り入れました:
- 地球のイラストやランドスケープ写真
- 世界地図を背景に使用
- 空撮による大陸の写真 など
これらを散りばめることで、視覚的に「世界で活躍している会社」という印象が自然と伝わるよう仕上げていきました。
遊び心のあるインフォグラフィックで読みたくなる資料に

資料全体の中で、インフォグラフィックも積極的に使用しました。採用資料だけに限らず、複雑な情報を視覚的にわかりやすく、かつ読み手が“楽しめる”内容にするにあたって、インフォグラフィックはとても重要な役割を果たすと考えています。自由で活気ある社風も感じていただける内容にするためには、欠かせない要素でした。
IllustratorからPowerPointへの変換
デザインに最終OKをいただいた後は、Illustratorで作成したビジュアルを、PowerPoint形式として再構築していきます。
PowerPoint形式での納品をご依頼いただく最大の理由は、納品後もテキストや情報を自由に、いつでもアップデートできるようにするためです。 とくに会社案内や営業資料、採用資料のようなドキュメントは、更新頻度が高くなる傾向にあります。
そのたびに毎回デザイナーに依頼するのは、手間もコストもかかる。だからこそ、クライアント様ご自身が編集できる状態に整えておくことは、実務面でも大きなメリットになります。
複雑な図表や装飾要素については画像として扱うこともありますが、その他の要素は、できる限り編集可能な形で落とし込むように設計しています。
「イラレで作ったものをパワポで再現なんてできるの?」
という声をよくいただきますが、最初にIllustratorでしっかりと設計されたデザインであれば、PowerPoint上でも美しさと実用性を両立させることは十分に可能です。見た目の完成度と、納品後の使いやすさのどちらも妥協しない―“使える、美しい資料”の制作を私たちは得意としています。
これが全体のBefore After!
冒頭でも触れたとおり、今回のプロジェクトでは情報設計はすべてお客様側で実施いただき、原稿をPowerPointに落とし込んだベースデータをご支給いただきました。
資料全体で再現したいトンマナについても、お客様ご自身で試行錯誤しながらご準備くださっており、その“意図”をしっかりと受け取りながら、デザインの観点で全体をブラッシュアップ。
配色や余白、グラフィック要素の整理などを通じて、伝えたいメッセージがよりクリアに伝わるよう、世界観を統一していきました。


デザインガイドラインの作成:社内でも再現できる仕組みづくり

納品後、ノンデザイナーの社員の方でも同じトーンで資料を作成できるように、ガイドラインの制作も併せてご依頼いただきました。ガイドラインには、
- 指定フォントやカラーパレット
- 文字間・行間のルール
- 背景パターンやアイコン、図形表現の使い方・ルール
といった要素を盛り込み、デザインの知識がなくても、一定のクオリティと世界観を再現できるように設計しています。こうした仕組みを整えることは、企業の“ブランディングを社内で育てていく”うえでも、とても大切な資産になると考えています。
お客様からのご感想
最初の10ページをご提出した段階で、担当者の方からこんな嬉しいお言葉をいただきました。

その後もスムーズにページ制作が進み、最後まで一体感を持って仕上げることができました!

お客様からは随時細かいフィードバックや感想をいただき、ありがたかったです。
最後に
弊社では「受発注の関係」ではなく、「同じチームとして、目指すゴールに一緒に向かっていく関係」をとても大切にしています。そうすることで、自分ごととして、プロジェクトに向き合うことができ、より親身になってデザインのご提案ができると思っています。そして、その“親身さ”があるからこそ、企業の魅力を深く理解し、丁寧に引き出すことができると感じています。デザインの力で企業の魅力を伝え、見る人の心を動かすきっかけをつくれたことを、とても嬉しく思います。ご依頼いただき、ありがとうございました。

